シン・ゴジラ

「シン・ゴジラ」

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1954年の第1作以来、国内で計28作品制作された「ゴジラ」を、”エヴァンゲリオン”

シリーズの庵野秀明を総監督に迎えた12年ぶりとなるオリジナル作品。

体長118.5メートルという史上最大のゴジラが初めて現代日本に現れたとき、

立ち向かう人びとを映し出す。(キネマ旬報からの抜粋)

 

傑作です。

単に”ゴジラシリーズ”のみならず、邦画史に残るのではと、 思うぐらい。

また、映画好きで、幼い頃に”ウルトラQ””ウルトラマン””ウルトラセブン”で育った

円谷世代ということを差し引いても・・・・・・・・・・興奮しました。

こういうゴジラが、観たかったのです!

 

ゴジラVS自衛隊(人類)

思わず、心の中で、”がんばれ、自衛隊”と叫びたくなるほど。

しょせん、映画は 見世物。

この作品の コピーじゃあないですが、”虚構VS現実”

うその中に、いかにリアリティに見せるか。

怪獣バトルではなく、実際、起こりうる設定、それは、

原爆(原発)、戦争(防衛・日米安保)、いろんな自然災害(地震、台風など)などなど。

それを、ゴジラに置き換えて、リアルに政府の対応、対策を表現していく。

これは、日本でしか作れない メッセージ性の強い大人の映画です。

別に深読みではなく、平和憲法を持つ国が、いろんなその時の災害に

どう立ち向かうのか。

 

1954年の第一作の「ゴジラ」での、

”人類が創ったものに 滅ぼされそうだから、その前に滅ぼしてしまおう” という

原典のメッセージが再び思い出されます。

第1作と並ぶような、作家性を強く出した優れた作品だと思います。

庵野秀明と樋口真嗣の二人を組ませて、大正解。

確かに、庵野監督の”エヴァンゲリオン”シリーズに類似しているという指摘は、

作家なのだから、そうなるのは当たり前だと思います。

(ここ数年は うつ状態だったらしいですが)。

そして、岡本喜八監督に神髄しているというのも、納得。

観ている最中に「日本の一番長い日」を思い浮かべたのは僕だけではないはずです。

(終戦前の日本の混乱と決断を カットの多用と畳み掛ける演出は映画史に残る。)

弱冠、長いかなと思ったぐらいで、あと、セリフに ”日本はスクラップアンドビルドを

くりかえして成長している”というのは、否定はしないけれど、ただ単に、同じことを

ビルドしても仕方がないし、またそれはあくまで、明治時代以後の話で、

鎖国していた江戸時代は平和な国であったというのも、事実だと思います。

また、日本人の真面目さも描かれていたのとか、

日米安保と日本の世界での立場とかは納得できるのだけれど、

皇室の事には触れなかったのは、わざとでしょうか?

 

また、音楽の使い方も、涙腺を多いに刺激して、実際、涙もの。

伊福部昭さんの”ゴジラのテーマ”は、当然のことながら、

自衛隊の一斉攻撃の時の、お馴染みの”フリゲートマーチ”(鳥肌もの!)

ラストにまた演奏された時は、拍手をしながら、また観たいと思ったぐらい。

庵野監督、よくツボを押さえてらっしゃると感心しました。

いやあ、面白かったです。    83点。