「ケイコ 目を澄ませて」
聴覚障害と向き合いながら、
実際にプロボクサーとしてリングに立った小笠原恵子さんを
モデルに、彼女の生き方に着想を得て生まれたケイコを、
「きみの鳥はうたえる」の三宅唱監督が16㎜フィルムに
焼き付けた青春物語。
ゴングの音もセコンドの指示もレフリーの声も聞こえないなか、
じっと ”目を澄ませて” 闘うケイコを、
才能にあふれた主人公としてではなく、
不安や迷い、喜びや恐怖など
様々な感情の間で揺れ動き、
それでも拳を突き出す一人の女性として描く。(キネマ旬報からの抜粋)
80点
淡々と進み、ドキュメンタリー作品を観ているよう。
だからか、観た時より、
まるでボディブローのように、じわじわと後から効いてきます。
観終わった後には、もうちょっと事件とか、スポーツのカタルシスとか、
遊びの部分とか、
ドラマ性が欲しいなとも思ったのですが、
静かに大きな感動がやって来ます。
もう一度見たいと思いました。
そして、岸井ゆきのさんが素晴らしすぎる。
監督さんは新進気鋭の若手の一人。
昨年の濱口監督に続く今年は、「ある男」の石川監督、
「LOVE LIFE」の深田監督など今後も楽しみです。
コロナ禍の東京を、
合理的でない世界で
真面目に生きている人間を、
真面目に描いている作品。
今年を代表する作品でした。
コロナ禍、また、お正月をまたぎます。
皆様もご自愛くださいませ。(小生もまだ、年末にお付き合いが2件残っとります(笑))
本年もありがとうございました。
来年もよろしくお願い致します。
それでは、よいお年を!