「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」
偽名で「ローマの休日」などの脚本を執筆し、アカデミー賞を2度受賞した
ダルトン・トランボの生涯を描いた伝記ドラマ。
”赤狩り”の嵐吹き荒れる1950年代、
下院非米活動委員会への協力を拒否した脚本家トランボは
投獄され、ハリウッドを追放されるが・・・・・。(キネマ旬報からの抜粋)
素晴らしい作品だと思います。
実話ですから、ドキュメンタリー風になってはいますが、
アメリカの近現代史における赤狩りを(書いたものは、時折、読んではいましたが)、この
重い話を、わかりやすく、
エンタテインメントに仕上がっているという、
さすがアメリカの懐の深さ。
いつも書いてはいますが、ワタクシは、右でも左でもございません(笑)。
この左の脚本家を見事に描いた、まず脚本に敬意を表します。
アメリカの良心も かいま見えます。
ファミリーの描き方も見事ですが、人間の弱さも見せながら、
不屈の闘志と生き抜く力のバイタリティで乗り切っていく、強さとすごさ。
ラストのセリフ ”やっと、我々は名前を取り戻した。” 涙があふれます。
踏み込みが足りない部分も弱冠ありますが、実名が出しにくいので
それは仕方ありませんし、誰もが被害者だということですよね。
娘に共産主義のことを聞かれ、例え話をしていましたが、
弁当を持ってこなかった同級生に、分け与えるという話は、どっちともいえない話では
なかろうかと(笑)。
あと、主人公をバックアップしている映画会社のオーナーが、
資本主義が、
共産主義に協力するのかと問い詰められた時、
”オレは、金と女のために、やっているだけだ。”という話も面白かったです。
ともかく、
トランボ自体も映画は、面白くなければという、
精神で作っていたというのも、
その作品群で、よくわかります。
ワタクシが好きなのは、「ジョニーは戦場に行った」、「ローマの休日」などなど。
最後に、
ダイアン・レインは最初、誰だか解らなかったのですが、好演でしたね。
ヘレン・ミレン、
いい味出してました。
平成28年 2016年 昨年の独断と偏見の洋画ベスト10(昨年)
なんとか、10本そろいました(笑)
①トランボ ハリウッドに最も嫌われた男
②マネーショート華麗なる大逆転 ③スターウォーズ/ フォースの覚醒
④ブルックリン ⑤ズートピア ⑥レヴェナント蘇りし者
⑦ブリッジ・オブ・スパイ ⑧スポットライト世紀のスクープ
⑨クリード チャンプを継ぐ男 ⑩山河ノスタルジア
御笑覧くださいませ。