リップヴァンウィンクルの花嫁

 

「リップヴァンウィンクルの花嫁」

「花とアリス」以来12年ぶりに 長編実写日本映画を手がけた岩井俊二による

監督作。    SNSで知り合った男と結婚するも すぐに家を追い出された派遣社員の

七海は、”何でも屋”を名乗る安室に 月給100万円という住み込みメイドの

仕事を紹介される。(キネマ旬報からの抜粋)

初日、梅田のブルグ7で(東映系)。         久々の この劇場での鑑賞。

座席が広く改善されていて、(前日の夕刊紙にも広告有り)見やすくなっていました。

満員でしたが、圧倒的に女性が多うございました。

久しぶりの 岩井美学?を 堪能させて頂きました。

最近は、復興支援ソング ”花は咲く” の作詞で おなじみの岩井俊二監督の久々の新作。

「リリィ・シュシュのすべて」 「undo アンドゥー」  「スワロウテイル」

そして、なんといっても、中山美穂、豊川悦司共演の 岩井の名を世間に知らしめた

「Love Letter」 (良かったですよね。)

一言で言うと、それぞれのひとによって、深読み満載の作品。

今年を代表する一本には、間違いないのですが、

僕的には、ちょっと長いかなと。(3時間)          81点

でも、これだけ余韻にひたれる作品も珍しいですよね。

主人公の黒木華さんや、綾野剛さんが、うまいのは、織り込み済みなんだけど、

この、脇役の COCCO(コッコ)さんていう人。早くも、助演女優賞じゃない?っていう演技です。

存在感ありすぎ!

主人公は(また、教師の役!) 派遣社員で、

声が小さく、地味で、友達も少なく、

どこかにいそうな23歳の女性。

SNSで、簡単に結婚相手を見つけたら、簡単に別れた。

 

便利な世の中でもあるが、また、反面、

うその世界、バーチャルな世界、仮面の世界、虚構の世界が簡単に

人の心に入る現在。

SNSが悪いのでもなく、ただ、あらゆる新しいことは、時間がたって、時代がそのもののよし悪しを

判断していく。

無知で、人が良いと、だまされる。

でも、だまされた側のほうが いいときもあるし、

だまされ続けられたほうが いいときもある。

あげくの果ては、生かさず、殺さず だましていた方も、少し、情が移っていたりして。

人生はかくも残酷で、世界は、なんて美しいんだろうって、誰かが言っていたけど、

強くないと生きていけないのか、突出したヒーローが 出なければいけないのか。

 

ラストが 2度あるような展開。                作品中にも次のようなセリフ。

コンビニ、スーパー、宅配 幸せが簡単に手に入る。ありがたくて、こわれちゃいそう、

だから、私は、お金を払わないと、いけないの・・・・・・

誰かに もたれかかりたい、心から満たされたいと思ったときは 危ないの・・・・

などなど、はっきり言って、いい意味でも悪い意味でも、 セリフも映像も、

突っ込みどころの 多い作品でしたの でした。