「素晴らしき日曜日」
黒澤明監督の初期の作品。
戦後の風俗を この映画も見事に表しており、
興味深く鑑賞致しました。
前作の「わが青春に悔なし」と共にクロサワの青春二部作とも
言われていますが、
実験的な試みには、
賛否両論があったというのも(観客に画面から賛同を求めるシーンなど)、
うなづけます。
確かに、男の映画はクロサワ、女の映画はナルセとは、
世間が言うように、いちがいには言えませんが、
やはり、この作品は、女性の表現や、恋愛もの(性のあつかいかた)は、
ちょっと、扱いづらかったような節が見えます。
キネマ旬報誌で、大林宣彦監督と評論家の川本三郎さんの
対談が掲載されていたのですが、印象に残った部分を少しばかり・・・・・・。
映画で学ぶというのが、大筋なのですが、
”どちらが正しいかと向き合ってみても、正義というのは
日本の正義と
アメリカの正義が戦って、つまりは勝ったほうの正義が正しかったと。
所詮、正義なんて人間の都合でしかない。
なので戦争という狂気に立ち向かうには人間の正気しかない。
また、こういうことも言われている、
ニュールベルグの裁判はやりやすかった。そこに悪人がいたから。
東京裁判はやりにくい。
悪人は誰一人いないのに、こんな大犯罪を行う。
(第二次世界大戦)”
”映画は時代を映す鏡であり、風化せぬジャーナリズム。
大切なことを面白く、楽しく観たり考えたり語り合ったりして学べる。
過去から愉しく学んで未来の上手な使い手に。”
確かに、映画は総合芸術の面をもっていると思います。